私は、3ヶ月前まではSMサイトを経営し、毎日のようにかわるがわる、豚どもの調教をしていた。

 ここで語るのは、そのサイトがきっかけで、出会うこととなった『裕太』という少年の話だ。


 あの日、私は、メールでやり取りをし、裕太と、喫茶店で出会うことになっていた。
 喫茶店にたどり着いたときには、指定した窓際の席に、かわいい顔をした、小学校5年くらいの少年が座っていた。 色白で、目がパッチリとしていた。
 『美少年』という代名詞に、見事に当てはまる少年であった…。

 汚れた私には、もはや触れてはいけないような無垢な存在にさえ感じ、思わずため息が出そうな思いであった。
 当然、まさか、依頼人が、そんな少年とも、思えるはずはなく。しかたなく、彼の近くの席に腰を下ろすこととした。
 10分経っても、店の客にそれらしき人物も見当たらず、私はイライラして、タバコに火をつけた。 どんな理由があろうとも、この私を待たすなど、許されることではない。 たっぷりと、痛い目を見てもらおう… そうだ、人間便器にでもなってもらおうか…  私が、そんなことを思っているときだった。
 あの少年が、私に向かって話しかけてきたのだ。
 「あの、もしかして、桃さん・・・ ですか?」
 「えっ? ・・・ぇえ。」私は、思わず、ポロリと口からタバコを落としてしまった。  ・・・まさか、この少年が、今回の依頼人?

 『裕太』は、私がSMサイトの世界では、かなり名の通った存在、女王『桃』であると確認すると、目を輝かせていた。
 「あのなぁ小僧。この世界は、お前の思ってるほどのお遊びじゃねぇんだぞ?」
 私が、タバコを吸いながらそういうと、裕太は静かにコクリと頷き、声変わりもしていない少年特有の澄んだ声で、答えた。
 「ぼく、変態なんです。クラスのみんなには言えないけど 」
 「ガキの遊びに付き合うつもりはねぇぞ?こっちは、かなりの修羅場を生きてきたんだ。 いまさら、なんぞ子守ができるかよ!」

私は、馬鹿な返事をしたこの少年を、厳しく罵倒してやった。あまりにも、浅はか過ぎる彼に苛立ちを覚えたのだ。
 「いっ、一番すごいことで、どんなことしたんですか?」それでも、この裕太という少年は、好奇心旺盛な目で、私に尋ねる。 それを見て、私は次第にイライラが増してゆくのを感じていた。

自然と眉がつりあがる、目の前のコップの水をぶちまけてやろうか、などとさえ思った。
 そもそも、毎日のように、訳ありな、親父どもの調教をしている私にとって。
おそらく、子供を愛する心など、毛頭ない感情なのであろう 裕太を見ているとそう思えてきた。
 私は、これ以上、踏み込まれることを嫌がり、彼に、恐怖の事実を突きつけてやった。
 「去勢してやったよ!分かるか? この手で、チ○コや○玉を切除する、去勢手術をしてやってんだ。
 こう見えて、プライベートは女医なもんでね。」
 裕太は、震え始めた。 さすがに、今のセリフには男にとっては、言い表せない破壊力があったようだ。
 しかし、次の瞬間、想定外な返事が返ってきた。
 「も、桃さま すごいです  ぼく、ぼくを桃さまの奴隷にしてください。」
 「はっ、はぁ!?」私は、またしても、タバコを口から落としてしまった。

 

 

 何度と質問しようが脅そうが、裕太の答えは変わることはなかった。私は、話しているうちに、彼が間違いのない早熟の大ヘンタイ君であることを納得してしまった。
 裕太は、両親から捨てられ、施設で、人の愛を受けずに生きているらしい。愛を求める少年ということは分かった
しかし、まさか、こうもゆがんだ形で、自分にそれを求めるとは 私は思わずため息をついた。
 澄んだ瞳。少女のようなショートヘアー。細い体。透き通った白い肌。 気がつけば、私は裕太を品定めしていた。
 たしかに、こっちから願いたくもなるほどに奴隷にするには、最高の逸材だ。だが、こいつは、まだ、子供。現実を受け入れる器を持っているとは、とても思えなかった。
 だが、裕太を見れば見るほど。私の中の『S』が覚醒されてゆくのが分かる。
 私は彼を試す『価値はある』と思い、いたずらにこうつぶやいてやった。
 「じゃぁ、これから私の言うことを誠実にこなせたら、考えてやるよ!」
 その言葉を聞いて、裕太はうれしそうに微笑んだ。  

 

  

つづく