これは、1人の少年の、とある悲劇の物語である。
高校3年になり、倫太郎は大学受験に追われていた。
特に、一流大学を目指してやろうというつもりもなかったが、周りに取り残されないためにも、今のうちに頑張っておいた方が良いということを、親の教育方針から、学んでいた。
馬鹿というわけではなくも、勉強自体は好きでない倫太郎にとって、ストレスのたまる毎日ではあったが、そんな倫太郎にも、良い気晴らし方法が、部屋にはある。
それは、インターネットだ。
勉強に対しての集中力が切れたときなんかは、ネットでエッチな画像でも拾って、夜のオカズにする。
なんてことが、ちょっとした日課のようになっていた。
だが、マイピクチャのフォルダー内にかさんでゆく画像は、女性の裸ではなく、同姓である、少年の裸だった。
主に2次元画像であったが、倫太郎の性癖が特徴あるものであることは確かであった。
いわゆるショタコンという性嗜好である。
さすがに、誰に打ち明けたこともなかったが、パソコンという、いいオモチャが手に入ってからは、もっぱらショタサイトめぐりをしていた。
そんな倫太郎は、しだいに、勉強による疲れがたまってからか、自分の中で、人生観をゆがめ始めるようになっていた。
(高校最後を、俺はこんな気持ちのまま過ごしていいのだろうか?
せっかく、若いんだし、人生振り返ったときに後悔なんかはしたくない・・・
どいつもこいつも同じこと言ってるかもしれないけど、俺は、俺の人生を自分らしく生きたいんだ!!)
倫太郎は、参考書を放り投げると、ベッドに横たわり、壁際の鏡に映った自分の姿を、呆然と眺めた。
若くてピチピチ。それに、肌だってきれいだし、スリムで色白であることが、倫太郎にとってのステータスでもあった。
高校3年生とだけあって、自分でも、まだ若さには自身がある。
ショタコンである本人が、まだ、自分のことをショタっ子であると認められるくらいのレベルに、とどまっている。
「大人になんてなりたくねぇ〜な〜!」倫太郎は、鏡の自分に向かって、そう吐き捨てると、唐突にパッとしたアイディアが浮かんできた。
「そうだっ!?ネットで俺の体でもアップしてみようか?
どんな食いつきが見られるか、楽しみだ。」
自分の体を見て、他人がどう思うか。 それは、青春真っ盛りの倫太郎にとっては、実に気にかかることであった。
自分の中では、それなりの自身がある。それを世間が認めてくれるかどうかだ。
思い立ってからの、倫太郎の行動は早かった。
親のデジカメを借りて、部屋の中でパンツ1枚の写真をとると、デジカメとパソコンをUSBケーブルで結んで、データを移し、お絵かきソフトを使って顔と部屋の背景にグシャグシャとアバウトな線を入れて、乱雑なモザイクを施した。
「あとはどこにアップするかだな?」
倫太郎は、手際よくネット上を巡回して行き、ちょうど良いタイプの掲示板を見つけた。
「よし、ここに貼ろう!」
倫太郎は、出来たてほやほやの写真を貼り付け、適当な言葉を書いてから、掲示板に投稿した。
「よし!」
きちんと貼られたことを確認してから、倫太郎は、再び勉強に集中するために、パソコンをシャットダウンした。
「次に見に来るときが楽しみだな。」倫太郎は、少しわくわくしながらも、気持ちを切り替えようと、参考書を開いて鉛筆を握りなおした。
だが、このことが後に、倫太郎の心を大きく揺るがせる事件を起こそうとは、この時、本人も、まったく考えていないことであった。
「さてさて、どうなったかな?」
倫太郎が、次にパソコンを立ち上げたのは、それから2日後のことであった。
「おぉぉおっ!!すっごい書き込まれてるっ!!2日で170件も書き込みあるなんて!?
俺、自演してないのに♪テンションあがるなぁ!!」
倫太郎は、一通りの書き込みに目を通した。
1 rin 2009/05/29(Thu) 17:49
どうもはじめまして!都内在住のスリムゲイです!
ところで俺の体を見てくれ?コイツを見てどう思う?
http://fileman.rakurakuhp.net/UserFiles/18638/Image/1212250688.jpg
2 名無しさん 2009/05/29(Thu) 17:50
すごく・・・ 綺麗です・・・
3 ぱんだもん 2009/05/29(Thu) 17:51
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
4 正太郎 2009/05/29(Thu) 18:00
かなり若々しい感じですね?もしかして中学生でつか?
5 ギミック 2009/05/29(Thu) 18:03
エロい体やわぁ!顔もセットで見たいです!
6 名無しさん 2009/05/29(Thu) 18:06
パンツ邪魔!パンツ脱いでくれっ!!頼むっ、脱いで見せてくれっ!!?
7 MOW 2009/05/29(Thu) 18:07
今夜のオカズ\(^o^)/ケテーイ!!
8 人影 2009/05/29(Thu) 18:17
>>1め!抜ける体しやがって
9 名無しくん 2009/05/29(Thu) 18:32
最高です!お願いです!付き合ってください!!
こんな感じで終始書き込まれ、当の本人である倫太郎としては、なんだか神様気分であった。
「俺の体ってのは、案外需要の高いタイプみたいだな!?
まんざらでもない気分だっ!これだったら、別にチンコ晒してやっても悪くないな!」
気分を良くした倫太郎は、再びカメラを手に取った。
(お望みどおりに脱いでやるよ?顔は出さないけどな!!)
こうして、倫太郎が、その掲示板でアイドル的な神様の存在になるまでには、たいして時間はかからなかった。
1ヶ月後。
「フン!また神の降臨を待つスレが乱立してやがるぜっ!
どいつもこいつも暇だよなぁ? 他にやることねぇのかなぁ!?
まっ、俺がコイツ達の神になることは、息をするくらいに簡単なことなんだけどネ。」
倫太郎は、パソコンに向かってそう愚痴るも、彼らの文字によるリアクションが楽しくてしょうがなかった。
自分に対するアンチも当然いたが、信者vsアンチの戦いを傍観することも、また一興であったし、自分が普通の生活をしている傍らで、彼らが書き込んでいるということが、なんだか、不思議と楽しくてしょうがなかったのだ。
ネット上では、大学受験のストレスも投げ捨てて、神様になれる。
倫太郎は、この陶酔する気持ちに、溺れていくようであった。
優越感。自己顕示欲。
さまざまな感情が満たされてゆく中にも、どこか満たされることのないものもあった。
自分の裸を晒しているという、被害者精神だろうか。
それでも、ネット上ではそんなことで、神と呼ばれるのだから、まんざら捨てたものでもないし、次第に、裸を見せることに対しての抵抗も消えていった。
それどころか、今の露出行為に、物足りなさを感じるようになってきた。
「次は・・・顔を晒してやろうか?期待に添える顔ではあるはずだ、童顔だし!
・・・いやっ、それはマズイかな?
動画でアップするとか、野外で撮影するとかやってみようかな?」
日に日にではあるが確実に、倫太郎の中の倫理観は、土台が溶けるように脆くなっていった。
ネット上で、エンターティナーとしての才能のようなものが、磨かれてきたのであろうか、倫太郎は、次々に浮かんでは消えてゆく、自分の活躍に期待する人々を楽しませるためのアイディアに、悩まされ始めるのであった。
そんな些細な悩みから、勉強に手がつかない。
(こんなはずじゃなかったのに・・・)倫太郎は、パソコンの前で愚痴りながらも、なかなか電源を落とすことは出来なくなっていた。
そして、そんなある日に、倫太郎のネット上での地位を脅かす存在が現れるのであった。
